2025年度は、今後の教職大学院の改革に向けた様々な議論がなされた重要な1年となりました。
中央教育審議会では、「多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成を加速するための方策」として、「現職教員等の能力の高度化のため中心的な場となる教職大学院での指導の質の確保」という観点での議論が行われました。論点整理では、教職大学院で育成するべき実践力として、「自らの実践や教育課題に対する理解と改善・解決を志向し、探究的・研究的に取り組むことのできる資質能力」、「自ら設定した課題に対する実践的で臨床的な探究力・研究力(教育臨床研究力/教育実践研究力)」が、教職を通じた「学び続ける教師」の基盤になるとの指摘がなされました。
また、教員が保有する免許状の修士レベル化の議論においては、教職大学院での学修に加えて、教育委員会が実施する教員研修と教職大学院との連携、学校現場での研修・教育実践への大学教員の関与などが検討されています。加えて、特別免許状の授与を念頭に、社会人等の免許取得に資する新しい大学院段階の教職課程の議論も進められています。
教職大学院はこれまでも、まさに院生の教育臨床研究力/教育実践研究力の向上を目指し、教員の修士レベル化に貢献してきました。また、既に、社会人等がゼロから免許を取得できる教育課程を展開している教職大学院も少なくありません。このように、現在の改革の議論は、これまでの教職大学院の取り組みの延長線上にあって、それをさらに強固に、かつ柔軟に拡張可能な形にしようとするものであると考えられます。そして、このような動向は、教職大学院に対する社会からの期待が極めて高まってきていることを表すものと考えられます。
今回の改革によって、「学び続ける教師」像の実現に向けた教職大学院のプレゼンスがさらに向上することを期待します。そして、教職大学院の修了生が、社会の変化に対応できる力量のある教員として、一人ひとりの児童生徒の健やかな成長を支える存在となることを願っています。日本教職大学院協会では、こうした観点から、教職大学院のこれまでの取り組みを振り返り、今後に向けて継承・発展させるべきことと、改善・修正しなければならないことを真摯に考え、改革の議論を踏まえながら、新たな教職大学院の創造に取り組んでまいります。
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